平成21年度住宅減税のポイント
平成21年5月8日現在
平成21年度の税制改正関連法が成立しました。この中には過去最大規模の住宅ローン減税などの優遇税制が設けられています。
住宅ローンを組まなくても税制優遇が受けられる
住宅ローンを組まずに長期優良住宅を購入した場合やリフォームをした場合、所得税から一定額を控除する「投資型減税制度」が創設されました。
1.長期優良住宅 最大100万円減税
- 長期優良住宅普及促進法の認定を受けた住宅を新築・取得した場合、標準的な性能強化費用相当額※(上限1,000万円)の10%を所得税額から控除。その年の所得税額から控除しきれない場合には、翌年分に繰り越して控除。
- 最大控除額:100万円
- 適用期間:平成21年6月4日~平成23年12月31日
※標準的な性能強化費用相当額:住宅の構造の種類(木造、鉄骨造など)ごとに、耐久性、耐震性、省エネ性能などの長期優良住宅普及促進法の認定基準に適合するために必要となる標準的な平方メートルあたりの単価を定め、該当する住宅の床面積を乗じて計算した金額。
【床面積120平方メートル・木造の長期優良住宅の所得税控除額】
(33,000円×120平方メートル)×10%=396,000円
(木造住宅の標準的な性能強化費用:33,000円/平方メートル)
2.省エネ改修 最大20万円減税
- 一定の省エネ改修工事※を行った場合、工事費(上限200万円)の10%を所得税額から控除
- 太陽光発電装置を設備する工事を併せて行えば、上限金額が100万円加算されて300万円となり、控除額が30万円に増額。
- 最大控除額:20万円(太陽光発電装備設置工事を併せれば30万円)
- 適用期限:平成21年4月1日~平成22年12月31日
※一定の省エネ改修工事(工事費が30万円を超えるもの)- (1)すべての居室の窓全部の改修工事
- 又は(1)の工事と併せて行う(2)~(5)の工事
- (2)床の断熱工事
- (3)天井の断熱工事
- (4)壁の断熱工事
- (5)太陽光発電装置設置工事
(1)~(4)については、改修部位の省エネ性能がいずれも次世代エネルギー基準以上となるもの。
3.バリアフリー改修 最大20万円減税
- 居住者がバリアフリー改修工事※をおこなった場合、工事費(上限200万円)の10%を所得税から控除。
- 最大控除額:20万円
- 適用期限:平成21年4月1日~平成22年12月31日
- 対象となる居住者
- (1)50歳以上の者
- (2)要介護者又は要支援の認定を受けている者
- (3)障害者である者
- (4)上記(2)若しくは(3)に該当する者又は65歳以上の者のいずれかと同居している者
※バリアフリー改修工事:浴室改良、手すりの設置などの工事費用で30万円を越えるもの(補助金などで充当する部分を除く)。
4.耐震改修 最大20万円減税
- 耐震改修促進税制における減税措置の適用期限を5年間延長。
- 地方公共団体が耐震改修計画に基づき耐震改修工事を補助している地方に加え、耐震診断のみを補助している地域を新たに含めるほか、補助金額の下限要件を撤廃。
- 耐震改修の工事費(上限200万円)の10%を所得税額から控除。
- 最大控除額:20万円
- 適用期限:平成21年1月1日~平成26年12月31日
省エネ改修やバリアフリー改修、耐震改修における税額控除の対象となる金額は、実際に改修工事に要した金額と、改修にかかわる標準的な工事費用相当額とのいずれか少ない金額となります。長期優良住宅の標準的な性能強化費用相当額と、改修にかかわる標準的な工事費様相当額については、下記のホームページをご覧ください。
(財)住宅生産団体連合会「長期優良住宅に係る標準的な性能強化費用」等について
http://www.judanren.or.jp/news/h21/0402.html
住宅ローン減税が延長・拡充
1.最大控除額160万円→500万円(一般住宅)
- 最大控除額:500万円
- 税額控除率:一律1%(10年間)
- 適用期限:平成21年1月1日~平成25年12月31日まで
※最大控除額が受けられるのは平成22年末までの入居
2.長期優良住宅は過去最大600万円の控除
- 最大控除額:600万円
- 税額控除率:一律1.2%(10年間)
- 適用期限:平成21年6月4日~平成25年12月31日まで
※最大控除額が受けられるのは平成23年末までの入居
3.住民税からも控除
- 住宅ローン減税制度の最大控除額まで所得税が控除されない場合、所得税から控除しきれない額について、翌年分の個人住民税から控除
- 個人住民税からの控除額は、当該年分の所得税の課税総所得金額などの額に5%を乗じて得た額が上限(最高97,500円まで)
政府・与党 追加経済対策を発表
住宅取得のための贈与税軽減
政府・与党は、4月10日に追加経済対策として発表した「経済危機対策」のなかで、平成22年までの時限措置として、住宅取得のための贈与税の軽減を織り込みました。
これは、生前贈与の促進により、高齢者の資産を活用した需要創出を図るためのもので、20歳以上であることを条件に、父母または祖父母から居住用の家屋の取得にあてるために金銭の贈与を受けた場合には、500万円まで贈与税を課さないこととし、暦年課税または相続時清算課税の従来の非課税枠にあわせて適用することが可能です。「経済危機対策」は今後国会へ提出され、審議される予定です。
※居住用の家屋の取得とは、自ら居住する主たる居住用家屋に限り、同時に取得する敷地および居住用家屋の増改築を含むほか、その具体的要件の詳細は、現行の住宅取得など資金の贈与にかかる相殺時積算課税の特例と同様とする。